カブトムシ:繁殖方法

繁殖方法
カブトムシ:繁殖方法

アリーヴェデルチ!

前回まででカブトムシの飼育については一通り記すことができました!

今回はカブトムシの繁殖についてです!

交尾から産卵に至るまで

交尾から産卵に至るまで

まずは、交尾から産卵に至るまでを書いていきたいと思います!

交尾について

カブトムシの交尾自体はそこまで難しい物ではなく、雄雌ペアを同ケース内で飼育していると勝手にしてくれます。

この時の注意点としては餌が切れていたり、空腹状態であると、交尾をしてくれないことがあるので注意が必要です。

自宅で交尾をさせるのが面倒な方は、野生の雌を三匹ほど捕まえてくればすでに交尾済みであることが多いです。

産卵について

産卵についてもこちら側が用意するものは少なく、以前『マット編』で説明したマットと環境が用意できればあとは勝手に産んでくれます。

多い時には100匹以上の卵を産むこともあります。

土に潜って産卵するため、ごそごそと移動していたり、ケースをひっかくような音がするときもありませんが全く問題ありません。

そっとしておいてあげましょう。

産卵後の卵の扱いについて

カブトムシは一度にすべての卵を産むわけではなく何度かに分けて産卵を行います。

ですので一週間に一度程度のスパンでケース内の卵を取り出し別のケースに移してあげる必要があります。
(早い週で生まれ幼虫化した個体が別の卵を捕食してしまったり、親個体が自重でつぶしてしまうことがある為)

その際はケース内に均等に開けた丸いくぼみの中に卵を移し、土を上からかけてあげます。
(植物の種を植えるような感覚です。)

卵の扱いにおいて一番注意すべき点は、とにかく『卵を傷つけないことです。』

大変デリケートなものである為、ゴム手袋などをはめ、プラスチックスプーンなどで作業することをお勧めします。

幼虫期

幼虫期

交尾から産卵まで無事に終わると、次は幼虫期に入ります!

必要なもの

必要なものはマットとケースです!マットは餌と兼用の為、餌は必要ありません。

クヌギマット(幼虫用)のもので問題ありませんが、発酵マットを使用すると成体の大型化を図ることができます!

ケースに関してはプラスチックで、深さがあれば(15センチ以上)問題ありませんが、一つのケースにたくさんの個体を入れて飼育したい場合はなるべく大きな物を選んであげましょう。

温度

次に温度です。

30℃を超えなければ問題ありません。暗くても明るくても問題ないですが一つだけポイントがあります。

それは冬場です。冬場、通常の虫たちはケースを温める必要がありますが、カブトムシの幼虫は極度の低温になる場合を除いて、加温が必要ありません。

というのも、飼育下の場合でも幼虫には冬を意識させる必要がある為です。

卵は二週間ほどで幼虫になります。日付がたつごとに卵が大きくなったり、黄色く変色することがありますがそれは孵化する合図なので問題ありません。

幼虫の成長について

幼虫の成長については第一から第三段階があり、それぞれ第一齢虫、第二齢虫、第三齢虫といいます。

生まれた瞬間に第一齢虫となり、二週間程で脱皮をして第二齢虫になります。

そこからむしゃむしゃと餌を食べ、2~3週間程で脱皮をして第三齢虫となります。

極端に栄養価の低いマットを使わない限りは上記の期間内で成長しあまり伸びることはありません。

ポイントは第二齢虫、第三齢虫時の餌食いの良さです。

この時期はとにかく大量に餌を食べる為、糞が溜まってきたら糞をすて、餌(床材)を足す必要があります。

目安は二週間から四週間ですが幼虫が床材の表面に出てきている場合、床材が糞でいっぱいになっている合図ですので早急に変えてあげましょう。

幼虫は冬になると活動が少なくなり、餌食いも殆どなくなります。

ですが、それでも少しは食べる為、床材の糞確認と加湿は忘れないようにしましょう。

冬になったら暖房の届かない場所にケースを置き、春から夏にかけて右肩上がりに温度をあげて行けば、幼虫自身が季節を理解し、蛹化するタイミングも揃えられるため温度は大切なのだ。

なんだか海上自衛隊が金曜日にカレーを食べるのを思い出しました。

蛹化について

蛹化について

カブトムシの幼虫は四月の下旬ごろから五月の下旬ごろにかけて幼虫から蛹へと進化(?
)する準備を始めます。

個体によっては少し遅くなることもありますが、多少のずれは問題ありません。

幼虫たちは蛹化が近づくと体色が褐色になっていきます。

このころから幼虫たちは自らが蛹となって過ごす部屋“蛹室”を作り始めます。

直径10センチ程の蛹がすっぽりと入る程の大きさの空間を地中に作るため、この時期になったら土を掘り返したり強く押したりするのはやめましょう。霧吹きも高頻度でしなくても大丈夫です。

また、床材が少ない状態だと蛹室がうまく作れずに蛹化できないということになりかねませんので注意が必要です。

この時、何らかの理由で蛹室を壊してしまったり、幼虫が蛹室を作れなかったりといった問題が起こることがありますが、そんな時は焦らずに、あなた自身が蛹室を作ってあげましょう。

やり方は簡単で、霧吹きをして崩れないようにした土で蛹が入れる程の穴を作り、そこに蛹を入れて、最後に上から優しく土をかけてあげれば完成です。慣れている方の中にはトイレットペーパーの芯などで代用してらっしゃる方もいらっしゃいます。

この時一つだけ注意が必要で、蛹の向きを間違えて入れてしまうと脱皮不全で死んでしまうことがあります。蛹は、寝かさないで立てるように蛹室に入れてあげてください。

海外種では寝かせた状態で蛹になるものもいますが日本のカブトムシは基本的に立った状態で蛹化するので注意が必要です。

さて、ここまでくると幼虫は“前蛹”という状態に変化し、蛹室の中であまり動かなくなります。
(この時、死んでしまったと勘違いしてしまう方が多いです。)

前蛹の期間を過ごしたカブトムシたちは一度脱皮をして、蛹になります。

平均して三週間~四週間程で羽化を迎え、ここでやっと成虫の姿となったカブトムシに出会うことができます。

ですが、羽化した喜びから成体をすぐに取り出し、べたべた触ってしまうと、成体やほかの蛹を傷つけてしまうことがあります。

ですので、基本的には成体が自ら土から這い出てくるまではそっとしておいてあげましょう.急がなくてもすぐに会えます。

ここまででカブトムシたちの繁殖サイクルが出来上がりです。

成虫になるとカブトムシは平均して一か月から三か月ほどしか生きることができないため、この間にまた交尾を済ませて、次の世代へとつないで行けば毎年カブトムシを飼育することができます。


さて、長くなったカブトムシについての記事もこれにて終局でございます!

いつまでも根強い人気を誇る生き物『カブトムシ』

ただ捕まえてきたものを飼育するのもいいですが、自らが繁殖した個体を何世代にもわたって飼育し続けるというのはより一層喜びが強いと思います。

興味がある方は是非トライしてみてはいかがでしょうか??

それでは、また次回!!

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