カブトムシ:飼育方法

飼育方法
カブトムシ:飼育方法

親父が世界一弱い生物なら、自分は世界で二番目に弱い生物でも構わない。

前回に続き、今回も「カブトムシ」です!

今回は飼育方法についてご紹介します!

マットについて

飼育に当たって、絶対に外せないのがマット(床材)である。

マットといってもただ適当に敷き詰めたらいいというわけでもなく、敷く前の準備段階が大事なのである。
(但し発酵マットに限る。繁殖を考えていなければほだマットなどをそのまま使って構わない)

工程①:ガス抜き

マットというものは基本的に“発酵”しておりその影響でガスが溜まっている為最初に“ガス抜き”という工程を踏む必要がある。

まずは買ってきたマットをブルーシートや新聞紙、大きなタライなどに広げ、1~7日ほど放置する。

時間が経つとどんどんガスが抜けていって最終的に完全にガスが抜ける。

目安としては匂いが少し野生のような匂いになっていくのでそこまで言ったら準備完了である。

工程②:水分を与える

次に、水分を与える作業へと移行する。

水を少しずつ均等になるように加え、湿らせていく。

目安としては、握ったときに固まりはするが水は出てこない程度が最適である。

ここまで来たら次はもう敷き詰める作業だ。

工程③:敷き詰める

ケースの七割か八割ほどまで土を入れ、コップやスプーンなどで押し固める。
(この時、かなり強くやってしまっても問題ない)

その上から二センチ程土を振りかける。

ここまで来たら3日ほど蓋をして放置する。

発熱が見られなければ完成だ。
(発熱があった場合は最初から工程をやり直す)

これでマットの設営は完了です。


ここまで実際に一緒にマットの設営をしている方、頭の中でやんわりとイメージした方の中には同じことを思った方もいるかもしれない。

『なぜこんなに土が多いのか?』このままでは成体の生活スペースが殆どないではないか!

その通りだ、実を言うとこのマットの敷き方は成体を飼育することが目的ではない。

『繁殖』が目当てなのだ。

この環境に雄雌のペアを入れておけば、交尾から初齢幼虫期まで殆ど滞りなく飼育することができるのだ。

下の固い層が産卵と幼虫の成長には必須である。

もしも繁殖に興味がなかったり、目的ではない場合は3~4センチ程入れておけば普通に飼育することができます。

装備品について

マットが用意できたら次に飼育に必要な装備品についてです。

装備品①:ケース

ケースに関しては特に指定はなく、プラケース、ガラスケースなどなんでも飼育することができます。
(発泡スチロールなどの柔らかい素材のものは成体が破ってしまうことがあるのでやめましょう)

また、サイズに関しても特に指定はありませんが、大きなケースで飼育すると寿命が伸びやすい傾向があるようです。

装備品②:止まり木

次に止まり木に関してです。

カブトムシやクワガタという生物はよく転びます。

さらに体の構造上起き上がることが難しく、大変体力を消耗してしまい、結果的に寿命が短くなってしまいます。

そのために用意するのが止まり木です。

ケースの横幅よりも少し長めの木を用意し、斜めになるように入れておきます。こうすると転んだ際にそこにつかまり、簡単に起き上がることができます。

飼育している人の中には、木を入れた上で土の上に枯れ葉などを敷き詰め、転倒防止にしている人もいるようです。

装備品③:餌

次は餌に関してです。カブトムシやクワガタの餌といえばやはり昆虫ゼリーが王道ですよね。

しかし、ケースの中にフィルムを取ったゼリーをそのまま入れておくと成体が倒して土まみれにしてしまったり、逆に土の中にゼリーが混ざってカビが生えてしまったりと様々な問題が発生してしまいます。

そこで使用するのがお皿です。

皆さんの中にもペットショップや、昆虫ショップ、百円ショップなどで、木が謎に丸くくりぬかれている物を見たことがある人もいるのではないでしょうか?あれがカブトムシたちのお皿です。

あの穴には昆虫ゼリーがはまるようになっており、倒さず、汚れず、動かずに餌を与えることができます。
(サイズや形によっては止まり木を兼ねてくれるものもあります)

装備品④:霧吹き

最後に霧吹きです。

これに関しては新品であればなんでも構いません。
(洗剤などが入っていたものを使うと成体に良くないため、百円ショップなどで売っています)


上記の物が用意できれば基本的には問題なく飼育することができます。

お金に余裕がある方であれば、コバエカッターなどを用意すると虫が寄ることがなくなり便利です!

飼育における注意点

ここまで物がそろえばもう飼育開始です!っとその前に…いくつか注意点があるのでここで一気にまとめておきたいと思います!

普段と違い箇条書きになってしまいますがお許しください!

『温度』
20℃~28℃が良く、15℃を下回るとカウントダウンが始まってしまうので注意が必要です。
『飼育場所』
直射日光が当たらない場所で、極端に高温低温になる場所は避けましょう。
『霧吹きの頻度』
マットの表面が乾燥してきたらする程度で大丈夫です。
『餌の頻度』
基本的には常に切らさないようにしてください。ですが残っているからといて放置すると腐ったりカビが生えたりしてしまうので長くても3日程で交換するようにしましょう。
『ゼリー以外の餌』
バナナやリンゴなどのフルーツが好物で、ゼリーに比べると平均的な寿命も伸びると言われています。
(スイカなどの水分含有量が多いものは下痢を起こす可能性が高いのでやめましょう。)
『多頭飼いについて』
あまり多くの個体を同ケース内に入れておくと四六時中喧嘩をし続けて体力の消耗と成体の短命化の原因になるのでやめましょう。ですが繁殖を目的とする際のペア飼育はその限りではありません。
『マットの使い分け』
マット編では繁殖を前提とした説明をしてしまいましたが、繁殖目的ではないのであれば加水(適度に湿らせた)ほだマットなどを4~5センチ程入れておけば飼育することができます。
『ケースのふた』
しっかりと閉まるものを選びましょう。カブトムシは力が強いため、弱い蓋だと簡単に開けてしまいます。

大きな注意点はこのあたりでしょうか、その他の疑問点があれば遠慮なくお問合せフォームからお問合せください!

さてさて、まずはここまで長らく読んでいただき誠にありがとうございます!

カブトムシという生物は大変奥が深く、長いシリーズになってしまいました。

今回でやっとひと段落でございます!次回からは繁殖について記していきたいと思います…。

『えっ、まだあるの?』と思ったそこのあなた!先ほど記した通り、カブトムシという生物は大変奥が深い生き物なのです!仕方ありません!(笑)

繁殖に興味がある方は引き続き読んでいただけますと幸いです! ではでは!また次回!

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