ただの人間には興味ありません!
はろろ~ん!怪虫堂・店長のもじゃです!
本日の記事は「サソリの繁殖の仕方」です!
雄雌判別方法
まずはここだろう。
これが雄、これが雌、と見分けることができないとペアで揃えることができない。
当店を含めて世の中の奇虫ショップの殆どは、雄雌の判別を販売前に行っている為、希望の性別や、ペア販売なども対応している。
しかし、皆さまがすでに飼っているサソリが子供を産み、それを成長させて3世代目を作りたい時。
性別不明(幼体での購入、個人からヤフオクなどで購入した場合)で購入した際に判別したい時。
など覚えていても損はない情報である。
それではさっそく記していこうと思う。
サソリには生殖板というものが体の裏側についておりそこからハの字型に小さな翼のようなものが生えている。
これを櫛状板(くしじょうばん)といい基本的にはこれの大きさで雄雌を見分けることができる。
櫛状板全体の大きさ、櫛の歯の長さ。
この二つ(若しくはそのどちらか)が大きい方、長い方が雄。小さい方、短い方が雌である。 乾燥系や、他の種類の中にはこれで見分けられないものもあるが、大抵はこの方法で見分けることができる。
受精までの流れ
哺乳類等は「交尾」というがサソリの場合は「交接」(こうせつ)という。
まず、雄と雌を買ってきたら別々のケースに入れる。 群棲することができる種類であれば同ケース飼育でも大丈夫だが、喧嘩をし始めることもあるので充分注意していただきたい。
別のケースに入れた場合、数日から数週間、新しい環境に慣れさせたのち、雄を雌のケースに入れる。
この時、雄が雌を見つけ体を震わせ始める。
これが人間でいうナンパだ。
もしここで雌がつっけんどんな態度をとるようならすぐさま引き離し別の日に再度トライするのをお勧めする。
そこで乱闘が始まるとケガのもととなり大事な生体に傷かつきかねないからだ。
雄の「今夜どう?」に雌がまんざらでもなかった場合、二人は手を取り合いながらくるくると回り始める。
ここまでくればひとまずカップル成立である。羨ましい。
そこから二人はキスをして、しばらくすると雄が雌に精包という白いカプセルのようなものを渡す。
口移しで渡すパターンや地面に置いて雌をその上に誘導するパターンもある。
そのカプセルを雌が受け取れば受精完了である。
ここで、精包を受け取った直後、雌の態度が豹変し、雄に襲い掛かることがあるため、そうなった場合はすぐに雄を引き離し、元のケースに戻す。
さながらワンナイトラブだ。
襲い掛かるそぶりがなく、ケースの広さが十分であればそのまま同居させてあげても問題ない。
夢の新婚生活というわけだ。羨ましい。
ちなみに、普段から温暖な気候にいる種であれば季節は関係なく、通年交接ができるようである。
成功率を上げる方法の一つに『クーリング』という方法がある。
温度を15℃かそれ以下に下げ、数か月冬眠させ冬を自覚させるという方法もある。
主に春に繁殖をする種類に有効な手であるが、温度の下げすぎ等で生体が死んでしまわないように充分注意してほしい。
妊娠してから
妊娠してから、多くのサソリは7~8か月ほどで出産を迎えるが、たった二か月で出産したり、逆に二年以上かかる種類もいる為、辛抱強く待ってあげてほしい。
多くの虫たちは、卵を産み、そこから幼体が孵る(かえる)のだが、サソリの場合は少し違う。
サソリは卵胎生(らんたいせい)といい、自らの腹の中で卵を孵し、幼体の状態で外に産み出すのだ。
南米に『コモリガエル』という別名“ピパガエル”“ピパピパ”と呼ばれるカエルがいるが、そいつは自らの背中に卵を植え付け、大人になると蓮のように空いた背中の穴から大量の子供たちが這い出てくるというこの世のものとは思えない光景を生み出すのだが、サソリの場合は産んだ幼体を背中に背負うだけなのでまだかわいく見える。
気になる人はピパピパと調べてみてもいいが、閲覧注意です。
一度に平均15匹~25匹程産むが、栄養が足りていなかったりすると数が減る。
産んだ後は、湿度変化や温度変化が起こらないように気をつけ、霧吹きの代わりにケースの隅から静かに水を流し込むなど、とにかく親を刺激しないようにしないと子供を食べてしまうこともあるので注意が必要。
基本的に子供を背負っているときは親に餌をあげる必要はない。
そののち、親の体の上で一度脱皮をするとだんだんと子供が親離れをしていくので、このタイミングで親離れした幼体を別カップに一匹ずつ分けていく。
こうしてサソリの育児は終わり、世代が続いていくのだ。
どうだっただろうか?
かなり長くなってしまったが、まだ足りないほど様々な種類と生態がサソリにはある。
キョウトクサソリ科の規制などでサソリの輸入量が減ってしまっている今、もしも新たにあなたがサソリを買おうと考えているなら、ぜひペアでの購入を検討していただきたい。
繁殖を繰り返すことができたならば何世代にもわたって一緒にいることができるし、数が増え買いきれなくなっても、生体引き取り等のサービスを行っているショップも数多くある。
もちろん怪虫堂でも行っています。
間違っても野生に放つなどはしないでください。
生き物たちの未来のためにも繁殖方法を知ることは大事なことです。
この記事がそんな未来を守るために活用されればと切に願っています!
それでは!また次回!